2007年10月22日月曜日

technique


 創造行為全般を標榜しながら、最近は創作活動に割く時間がなく、気が付くと仕事ばかりしている。
 プログラムも「作る」という行為の延長線上にあるとは思うが、やはり削ったり研磨したり切ったり貼ったりハンダしたいッ!

 自分は職人でも芸術家でもないので、感性にのみ依存する「ものづくり」はしない。常に先見・配慮・忍耐、この三つを念頭においている。
 工程を最後まで見極め、一つの作業が全ての工程にどのように影響するか気を配り、じっくりと作業に専念する。プログラムでも彫金でも日曜大工でも同じだ。

 そしてその三つは一般的な人間関係でも大切なのだと、思う。
 基本的に後輩や友人に多大な迷惑をかけて生きてきた人間なのであまり偉そうなことを言えた義理ではないのだが。

 ところで先ほど「感性にのみ依存する」云々という言い方をしたが、中には感性を否定するような言葉を不愉快に感じる向きもあるかもしれない。
 感性とは、これまで集積してきたものの平均が顕在化したもので、古くはそれを「勘」と呼んだ。
 そして平均的な振る舞いは常に、統計学で言うところの「ルートnの法則」に従う。誤差率は回数の平方根で、まぁ100回作業すれば10回は失敗するものだ、と考えてもらって構わない。失敗率は10%だ。10,000回やれば1%になる。

 このように経験数が多くなれば失敗率もどんどん低くなっていく。熟練の職人が精密機械のような仕事をするのは、経験数が桁違いだからだ。だから彼等が勘に頼るのは、至極当然なことでもある。最高の芸術家は若い頃に指が千切れるほどデッサンをしている。

 であるから、自分は感性には頼らない――というより頼れないのですヨ。


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