2007年10月8日月曜日

ゴーストが囁く


 我々は世界をただ見ていると、思っている。下手をすると意識すらしていない。
 目でモノを見たり、指で触れたりして世界を認識している、と感じている。

 しかし、目も指も、ただの入力器官でしかない。見て、感じているのは『脳』である。我々が見ているのは脳が合成した映像だし、我々が感じている場所は、脳が自身から離れた空間に感覚の像を結んだ場所に過ぎない。

 勿論、世界は『マトリックス』のような完全な脳の作り物ではない。認識は世界に先行しない。脳は入力された刺激の強弱に応じた出力をする器官だ。

 パソコンやiPod touchを使っていると、物理的な入力に対して実体のないデータの塊がビビッドに動き回る様に妙な感じを覚えて、どうでもよいことを考えてしまう。

 なるほど、あまり好きな言葉ではないが『ゲーム脳』というものがある。画像やインターフェイスが現実や現実の挙動に連動し始めたとき、その安直で無責任で視野狭窄的な言葉がふと無視できない質感を持ち始める。正確な知識を持たない者にとって、こうした技術は現実を侵食する強力なイメージでもあるからだ。

 でもこの自分が拡張されていく感じは、無条件に楽しいですけどね。


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